2023/02/15 14:07


 私が好んで使用しているイタリアンレザーの一つ、ミネルバリスシオの事を紹介したいと思います。

 革産業が盛んなイタリアのトスカーナ州、フィレンツェにあるタンナー、バダラッシカルロ社(Badalassi Carlo)のミネルバリスシオという革なのですが、下にある写真はその色違い3色を並べて撮影したものです。革の裏面(トコ面)には、バダラッシカルロ社のマークがあります。写真でいうと、インディレザーのロゴの下に数字とマークがあるのがそれです。

 この革は、その名のリスシオ(日本語では、なめらか、スムース)の意味合いのとおり表面がシボでななく、つるっとしたフラットな表面の革で、しっとりとした滑らかさ、柔らかさがあります。同じバダラッシカルロ社にミネルバボックスという革がありますが、こちらはシボ加工されています。どちらもとても良い革ですが、どちらかと言えば今のところ私はリスシオの方が好きです。フラットな表面が使い込むうちにツヤツヤにエイジングしていくのが良いです。



 でも、カットしたり縫ったり、作品が完成するまでにとても気を使うのです。表面がスムースな革ですので、誤って手の爪が強く当たってしまったり、隣り合わせの革パーツの縫い糸が少し強く当たると、表面に跡がつくのです。そういうのはキズではないと革に理解のある方はおっしゃってくれますが、完成までは製作に伴う跡はできるだけ付けたくないのです。シボ加工のミネルバボックスの方がこのあたりは少し楽なんだろうなと思います。という思いでネットで革商品を見るとミネルバリスシオを使ったものよりミネルバボックスを使用した製品の方が多く感じてしまう私です。



 
 製作中に革に跡をつけないように、こんな感じになります。上の写真はフマートフォンホルダーを作るために手縫いをしている場面です。ベルトループの跡が付かないように、とても粘着力の弱いマスキングテープで養生します。
 インディレザーのインスタやツイッターの写真にマスキングテープが貼られた革の写真が登場するのはこういった理由なのです。